泣いた。 泪を流した誰かさん。 泣いた。 何度も泣いた。 誰がってそりゃ俺だよ。 男のくせに。 だって其れしか思いつかなかったんだ。 うん、あれは生理現象。 イキナリ瞼が熱くなって鼻の奥がつんとした。 だって俺の大事な奴が死んだから。 何で生き物ってもんには死が必ずくるんだろうか。 俺はそんなコトをぽつりと独り心の中で呟いた。 でも生があるからこその死で 死があるからこその生なんだ。わかってる。 とても美しくとても醜い事実。 綺麗な言葉で云ってみたけど所詮無いようは変わりはしない。 わかってる。 そんな基本中の基本わかってるさ。 其れでも泪は止まらなくて 何度も神なんて崇められてる奴を憎んだ。 男のくせに。 誰がってそりゃ俺だよ。 何度も泣いた。 泣いた。